「無事に書類選考を通過したけど、リファレンスチェックを依頼された・・・」
そもそも、リファレンスチェックって聞いたことがないわ。
リファレンスチェックの内容や進め方について不安を感じていませんか?
この記事では新卒の就職活動にはない、転職活動ならではの選考プロセス「リファレンスチェック」の目的や実施タイミング、内容、フォローアップ方法を詳しく解説します。
実際に私がリファレンスチェックで回答した質問内容もご紹介します。
この記事を読んでわかること
- リファレンスチェックの目的
- リファレンスチェックの内容
- リファレンスチェックの注意点
・3人子育て中の、開発できないシステムエンジニア
・上場企業から非上場の事業会社に44歳で転職
・2ヶ月で内定をもらった実体験を元に、転職情報を発信中
転職で実現したこと
- 週3以上の在宅勤務
- 管理業務なし
- 給与アップ
リファレンスチェックは「職場インタビュー」
リファレンスチェックは、転職者の職場や上司からの評価をヒアリングするプロセスのことを指します。
具体的には、実際の業務能力や人間性など、履歴書や面接だけでは判断できない部分を確認するためのものです。例えば、前職の上司に「この人はどのような人物でしたか?」といった質問を通じて、転職者の実際の働きぶりや人間関係を探ることができます。
依頼される人を「推薦者」といいます。
リファレンスチェックの4つの目的
企業がお金をかけてリファレンスチェックを実施する目的は4つあります。
信頼性の確認
企業は、応募者が履歴書や面接で伝えた情報の正確性や信頼性を確認するためにリファレンスチェックを行います。
職務経歴の検証
応募者の過去の職務経歴や実績、スキルを第三者の視点から確認し、その適性や能力を評価します。
人間性の把握
企業は過去の職場での人間関係やコミュニケーション能力を知ることで、新しい職場での適応性やチームへの適合性を予測します。
リスクの低減
その人が過去に職場でトラブルを起こした経験や、仕事上での不正行為がなかったかを確認することで、企業は未来の潜在的な問題やリスクを早い段階で察知し、それによるトラブルを防ごうとしています。
リファレンスチェックが行われるタイミング
一般的に、リファレンスチェックを実施する場合は書類選考後~内定通知前の以下のタイミングで行われることが多いです。
- 書類選考後
履歴書や職務経歴書を基に、初めての絞り込みが行われた後。 - 面接後
一次面接や二次面接を経て、採用が有望と判断された際。 - 最終選考前
最終的な採用判断を下す前の最後の確認として。 - 内定通知前
採用を正式に伝える前に、最終的な確認のため。
これらのタイミングを念頭に置き、推薦者への連絡や情報の準備を進めましょう。リファレンスチェックは、あなたの経歴や人間性を確認する大切なステップなので、その重要性を理解し、適切に対応することが成功への鍵となります。
リファレンスチェックの実施状況
以前は、特に外資系企業での採用の際に重要視されることが多かったリファレンスチェック。日系企業では、リファレンスチェックが正式に行われるケースは少なかったのが一般的でした。
ですが近年では、日系企業も人材の質を確保するため、また企業文化に合致した人材を採用するための方法としてリファレンスチェックを導入する企業が増えてきました。人材紹介会社 エンワールド・ジャパン株式会社によると、現在、大手企業を中心に全体の約40%の企業が何らかの形でリファレンスチェックを実施しています。
特に外資系企業では、採用の決定前にリファレンスチェックを約60%の企業が実施しています。
私は12社で書類選考を通過しましたが、1社もリファレンスチェックはありませんでした。
リファレンスチェック有無を確認する方法
リファレンスチェックの導入やその重要性が高まっています。自分が受ける企業でリファレンスチェックが実施されるかどうかは必ず確認しましょう。
実施されることがわかっていれば、準備もできるわ。
以下の3つの方法で確認することができます。
求人情報
求人広告や転職サイトの情報に、リファレンスチェックの有無やその内容に関する情報が明記されている場合があります。
求人情報は、きちんと確認しましょう。
転職エージェント
転職エージェントを利用している場合、そのエージェントにリファレンスチェックの有無はもちろん、タイミング、内容についての情報を聞くことができます。
エージェントによっては、詳しい内容についての情報提供も期待できます。
口コミ
ネット上の採用体験談や口コミサイトを利用して、その企業の過去の採用実績やリファレンスチェックの有無についての情報を集めることも一つの方法です。
ただし、以前は実施していなくても現在は実施している場合があるので注意しましょう。
リファレンスチェックの流れ
リファレンスチェックは以下の流れで実施されます。
リファレンスチェック(調査)に回答する人を「推薦者」といいます。
書類選考や一次面接を通過したタイミングで、リファレンスチェックの依頼があります。
ここで同意しなければ、リファレンスチェックは実施されません。
会社の同僚や上司からリファレンスチェックに対応してくれる人を探します。了承を得られたら、推薦者として連絡先を応募企業に紹介します。
応募企業(もしくはリファレンスチェックサービス提供会社)から推薦者に直接連絡があり、推薦者は質問内容に回答します。
リファレンスチェックの調査(回答)結果が応募企業の採用チームへ通知されます。
重要なのは、リファレンスチェックを実施する際には必ず事前に応募者の同意が必要であることです。推薦者を、応募者が選ぶにしろ、応募企業が探すにしろ、応募者の同意を得ずに実施すると個人情報保護法に違反します。
知らない間に会社に電話をしてリファレンスチェックをされることがないなら、安心だわ。
リファレンスチェックの主な内容
リファレンスチェックの内容や確認ポイントについて詳しく見ていきましょう。
職務経歴やスキルの確認
リファレンスチェックで最も基本的に確認されるのが、転職者の職務経歴やスキルです。
- 具体的に【依頼者】が担当していた業務内容を教えていただけますか?
- 【依頼者】が独自に習得した技術やスキルがあれば、詳しく教えてください。
- 【依頼者】は新しい技術や知識を学ぶことに積極的でしたか?
特に、40代の女性は長いキャリアを有していることが多いので、その経験を具体的に示されることがポイントとなります。
人間関係やコミュニケーション能力の検証
次に重視されるのが、人間関係やコミュニケーション能力です。
- 【依頼者】は同僚や上司、部下との関係で何か特筆すべき点やトラブルはありましたか?
- チーム内での【依頼者】の役割やポジションはどうでしたか?
- 【依頼者】が関わるプロジェクトや業務でのコミュニケーションの様子を教えていただけますか?
40代の女性は、人間関係を築くスキルが高いと一般的に考えられているため、この点をしっかりアピールしてもらえるとよいでしょう。
過去の実績や業績の確認
過去の実績や業績もリファレンスチェックの重要なポイントです。具体的な数字や成果をもとに、転職者の業務能力を確認することが狙いとなります。
- 【依頼者】の主な業績や達成したプロジェクトについて教えていただけますか?
- 【依頼者】が関わったプロジェクトで特に困難を乗り越えた例があれば、教えてください。
- 【依頼者】が率先して取り組んだ取り組みや、新しいアイディアを提案・実現した事例はありますか?
数値や事例を用いて伝えてもらえると効果的です。
行動特性や適性に関する質問
リファレンスチェックでは、業務に関する質問だけでなく、性格や価値観に関する質問も行われることがあります。これは、企業文化やチームの雰囲気に合致するかどうかを確認するためのものです。
- 【依頼者】はプレッシャーの中でも冷静に仕事を進めることができるタイプでしたか?
- 【依頼者】が新しい環境や変化に対してどのように適応していたか、具体的な例を教えていただけますか?
- 【依頼者】にはリーダーシップを発揮する機会がありましたか?その際の対応や成果について教えてください。
40代の女性は、多様な経験や価値観を持っている可能性が高いので、その点を活かすことが求められます。
重要なのは「誰を推薦者に選ぶか」
リファレンスチェックでは、誰を推薦者に選ぶかが非常に重要となります。適切な推薦者を選ぶことで、あなたの職務経歴やスキル、人間性を正確かつ魅力的に伝えることができるからです。
推薦者を選ぶポイント
- 職務内容や達成した実績を具体的に知る人
直接の上司や長く一緒に働いた同僚などが理想的です。 - 文章力がある人
推薦文を書く経験ある管理職や、メールや資料を読んで違和感のない文章を書く人
リファレンスチェックで評価を下げることのないよう、慎重に選びましょう。
- 推薦者として名前を提供する前に、その人から明確な同意を得る
- 推薦文の要望や締め切りなどを明確に伝え、迷いや不安を感じさせないよう配慮
40代女性特有の注意点と対策
40代の女性が転職活動を行う際、リファレンスチェックにおける特有の注意点は何でしょうか。特に40代の女性は、過去のキャリアや経験をどのように伝えるかが重要となります。
以下では、年齢や経験を活かしてリファレンスチェックを無事に通過するための注意点と対策を解説します。
年齢
40代女性は長いキャリアを持っている一方で、転職市場においては「年齢的なハードル」を感じることも少なくありません。
経験
40代女性は、多様な経験や知識を持っています。この経験を具体的に示すことで、リファレンスチェックでのアピールポイントとすることができます。
転職回数やブランク期間
複数回の転職やキャリアのブランクがある場合、リファレンスチェックではその点を問われることが考えられます。
人間関係やワークライフバランスに関する考慮点
40代の女性は、家庭や子育てとの両立など、ワークライフバランスの取り組みが特に重要となるケースが多いです。
【実例】リファレンスチェックの内容
リファレンスチェックでの実際の質問内容をご紹介します。
以下の内容は、推薦者としてリファレンスチェックに回答した際に受けた質問です。
このページを見せれば、推薦者もどのような質問がされるのかイメージがついて、不安がなくなるわね。
候補者との関係性
- 名前
- あなたとの関係性を教えてください。
- 候補者と今も一緒に仕事をしていますか?
- 候補者様と一緒に仕事をした期間を教えてください。
- 候補者様と一緒に仕事をしていた時の職種を教えてください。
- 候補者様と一緒に仕事をしていた時の会社名を教えてください。
候補者が入力済みの内容を確認するだけでした。
本人基本情報
- 現在の会社
- 現在の部署・役職名
- 現在の業界
- 現在の職種
注意事項
回答した内容は候補者には開示しないこと
回答した内容は候補者には開示されないので、正直に回答してほしいという内容が記載されていました。
ご回答いただいた内容は、候補者には開示いたしません。
得意なこと不得意なこと忖度なしに回答ください。
リファレンスチェックより
記載してはいけない事項
推薦者は、以下については記載してはいけないとのことでした。
- 職業安定法における事項
人種、民族、社会的身分など、社会的差別の原因となるおそれのある事項 - 個人情報保護法における事項
病歴、健康診断の結果など、要配慮個人事項 - 男女雇用均等法における事項
女性の候補者に関する結婚の予定の有無、子供が生まれた場合の継続就労の希望有無 - 自社の機密情報やインサイダー情報事項
自社の機密情報やインサイダー取引に関わる重要事項、就業規則違反に該当する情報 - 候補者の選考に関する情報
現愛候補者が選考に応募している企業名、または企業名を類推できる情報
アンケート(質問)
質問は、職場でのスキルや習慣、性格などに関する内容でした。回答方式は、記述式と選択式の2種類がありました。
記述式(4問)
- やるべき重要なことを自ら発見し、組織として最速のスピードで、最良の結果に到達する方法を実行する。 依頼者のこれに基づくような実績やエピソード等があれば具体的に教えてください。(無い場合、無と記入ください)
- プロフェッショナルとして組織の成⾧と事業目標に対しコミットしインパクトある成果を当事者として創出する。依頼者のこれに基づくような実績やエピソード等があれば具体的に教えてください。(無い場合、無と記入ください)
- 依頼者は、常に新しい事象への好奇心や取り組んでいる仕事への探求心を忘れずに、それ自体を楽しむ姿勢・未来志向を持つことができていましたか?具体的なエピソード等があれば教えてください。(無い場合、無と記入ください)
- もう一度依頼者と一緒に働きたい (雇いたい) と思いますか?また、その理由も教えてください。
選択式(7問)
5段階から選択して、相対評価で回答します。評価の目安についての説明がありました。
- 口頭での意思疎通によって、自らの意図を論理的に相手に伝える力はどの程度優れていましたか?
- 文章での意思疎通によって、自らの意図を論理的に相手に伝える力はどの程度優れていましたか?
- より大きな成果を出すために、自らの経験や手法に固執せず、新たな解決策を考え実行することはできていましたか?
- 仕事を進めるにあたって、相手の不安や潜在的な障害を予測し解消することができていましたか?
- 情報を収集、整理し、その情報をもとにした効果的な解決策を導くことはできていましたか?
- 相手によって態度や発言内容を変えずに、率直なコミュニケーションを取ることができていましたか?
- 同じ部署やチームの同僚に対して、積極的にコミュニケーションを取るタイプでしたか?
リファレンスチェック後のフォローアップ
リファレンスチェックが終わった後のフォローアップも、転職活動を成功させる上で非常に重要となります。特に外資系をメインで受けている人は、再度依頼する場合もあります。
以下で、リファレンスチェック後のフォローアップのポイントや方法について詳しくご紹介します。
感謝の意を伝える
リファレンスチェックに協力してくれた推薦者に、後日感謝の意を伝えることはマナーとしても重要です。
推薦者との関係を維持・深化させるためのアクション
リファレンスチェックは一過性のものではありません。
推薦者との関係を維持・深化させることで、将来的なキャリアのサポートやアドバイスを受けることが期待できます。例えば、定期的な情報交換や食事会などを設定することで、その関係性を強化することができます。
リファレンスチェックの否定的な結果に備える方法
リファレンスチェックで否定的な評価を受けることも考えられます。
このような場合、その評価に対して誠実に対応することが重要です。また、その評価に対する自分の考えや取り組みを説明することで、再評価のチャンスを得ることができるでしょう。
次回の転職活動に備えるためのリファレンスの管理方法
今後のキャリアを考える際に、再度の転職も考えられます。
その際、過去のリファレンスチェックの内容や参考人のリストを整理・管理しておくことが推奨されます。具体的には、リファレンスチェックの際のフィードバックや評価をメモしておくことで、次回の転職活動の際にもスムーズに進めることができるでしょう。
まとめ|リファレンスチェックでは最適な人を選ぶ
リファレンスチェックのポイントを以下にまとめます。
- 最適な人を推薦者に選ぶ
信頼関係があり、具体的な業務内容を知っている人に依頼しましょう - 事前に話を通しておく
断られる可能性を考慮し、推薦者に事前に相談しておく - 感謝の意を伝える
リファレンス協力をしてもらったら、必ずお礼を伝える
転職活動中のリファレンスチェックは、今まで仕事に取り組んできた姿勢をアピールすることができる、最大のチャンスです。推薦者には丁寧に対応し、感謝の気持ちを伝えましょう。
また、フィードバックを活用し、次回の転職にも備えることで、さらなるキャリアアップを目指すことができるでしょう。